第65回 一陽展(2)
第一印象はスターウォーズに出てくるデススターでした。向こうは球体、こちらは円柱形で形は全然違うんですが、おそらくこのコンクリート感とつなぎ目がデススターを連想させるのだと思います。未来的というよりも、心を落ち着かせる保守的、近代的なフォルムです。
シャガールがベルばらを描いたら、もしくはベルばらの作者がシャガール風に絵を描いたらこうなるのかな、と感じました。とにかく色があざやか。下の装飾と相まって綺麗です。
ウォーホルは全く同じキャンベルのスープ缶を並べ、徳岡神泉はそれぞれ形の異なる刈稲を並べました。ここではそれぞれ開き方の違う段ボール箱を並べています。これもまた味わい深いです。
内容が少しグロテスクではあるのですが、でも落ちてくる水滴を飲もうとしている雛は可愛いし、全体的に童話調の雰囲気が漂っているので、それほど気にはなりません。赤い月が良い感じです。
自分は子どもの頃にこうやって地面にチョークで絵を描いた記憶がないのですが、それもそのはず、記憶を辿ってみたら幹線道路以外に舗装路はほとんどありませんでした。外れとは言え、一応東京で育ったんですけどね。そんな時代でした。
画面中央に描かれている頭と足しかない黄色い猫が、何とも言えない味わいです。
折しも現在森アーツセンターギャラリーでバスキア展が開催中であります。いまのいままで、見たい見たい見たい、と切望していたバスキア展なのですが、開催予告のホームページに掲載されている出品作品画像を見ていると、別に見なくてもいいかな、などとも感じてしまい、いままさに行こうかどうしようか迷っている最中です。
展示に耐えうる落書きはごくわずか。落書きの雰囲気を描こうとしてその雰囲気が描ける作品もごくわずかではないでしょうか。